2015年12月29日

第186回 大沼心監督 〜新房演出を習得したマルチクリエートヒットメーカー〜

夏アニメを観るのもままならず、秋アニメは何とか4作品ほど視聴していますが
ingressや会社などいろんなところで追われて、何とか4ヶ月ぶりに更新の運びとなりました。

ホントに久しぶりですので、第1回以来のクリエーターを語るシリーズを
書く事にしました。今回はヒットメーカーの大沼心監督です。

大沼心監督は動画からアニメーターの世界へ入っているおかげか
原画、さらに演出、絵コンテとこなされ着実に作品の質を高めるための
スキルを身に付かれたマルチクリエーター。
中でも大きかったのは新房昭之監督の元で活動していたシャフト時代で、
新房監督の独特ともいえ賛否が未だに論争が絶えない新房演出を
見事に応える事が出来、新房監督の右腕とも言われるほどの存在に。

2010年以前にAfter Effectを習得されているあたり、当時としては極めて大きな
アドバンテージとなったに違いありません。
早くからデジタル処理ソフトを習得した監督は実力・名声共に優れており
劇場版Zガンダムでは富野監督が自身の興味とコスト削減、デジタルリファインの3側面で
Final Cut Proを習得(すでに還暦を越えての習得だからすごい!)、
新海誠監督は分かってるだけでも日本ファルコム時代からMacを触っているおかげか
Final Cut Pro、After Effectはすでに習得済みで「言の葉の庭」では制作の過程を
少しマスコミ向けに紹介していました。
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posted by ケン・サスガ at 16:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | クリエーター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年01月14日

第1回 京極尚彦さん 〜キーマンから「ラブライブ!」監督へ〜

Twitterでよくアニメに関しては話題にしていましたが
よりディープに、そして記録として残すために新たに立ち上げました。
感想だけでなく、たまにはスタッフのお仕事に関して調べたり
制作側も自分の視点から書いてみたいと…

ホントは去年の秋アニメから立ち上げようと思いましたが、
いろいろありまして、今期にずれこむかたちになりました。
逆に新年から始めた方がスタートとしてはいいのかもしれませんね。

記念すべき第1回は「ラブライブ!」の監督を務める
京極尚彦さんにスポットを当ててみました。

京極尚彦さんはサンライズ作品ではおなじみになりつつある
絵コンテ・演出マンで「ラブライブ!」で監督に抜擢。
絵コンテの回では演出も担当される事も多く、
ターニングポイントとなる重要な回で起用されています。

一例ですが、「夏色キセキ」の第4話や「ファイ・ブレイン 神のパズル(第1シリーズ)」の第13話。

「夏色キセキ」ではムードメーカーとトラブルメーカーを兼ねている
花木優香が従兄弟で旅館の手伝いをしている貴史に恋心を描いた第4話。
本編で唯一恋愛要素を中心に描いたエピソードで、序盤の見どころになってます。

「ファイ・ブレイン 神のパズル(第1シリーズ)」では
第6話と13話とこれまたストーリーで欠かせない重要なエピソード。

オルペウスの腕輪の逆暴走でパズルが解けなくなった大門カイトが
アリ地獄にハマった井藤ノノハと坂之上ギャモンをパズルに対する想いで
乗り切って救出する6話や、POGの管理官になったルークが直接カイトと
イギリスの愚者のパズルで本性を表し、前半のヤマ場となり神回と呼ばれた13話。

幸い、ファイ・ブレインの第1シリーズが再放送中で第13話を
再度観る機会があり、ここで「ラブライブ!」の第1話との
コンテの共通点がいくつか見つける事が出来ました。

まず横視点と背景におけるフカンのカットの多さ。
横視点でいうとファイ・ブレインでは幾つかあるノコギリが発射されるカットの中に
奥の発射口から発射されるノコギリの視点から描くカットがあります。

すごいのはこれだけでなく、丸みがあるパースが取りにくい塔の全体を
描きつつも発射によって出るゴミもキチンと描いている事!
普通に観ても一瞬見えますが、1/8スロー再生で追ってみたら
右上にゴミの欠片が飛んでいく描写がありました。

フカンのカットはエレベーターが起動しているシーンで
登場人物を描かずに背景も動かしているあたりより動きに躍動感を出してますね。

そして「ラブライブ!」ではいきなりアバンから穂乃果の横顔からはじまり、
OPではダンスものでは滅多に描かれない横視点のカットを大胆にも取り入れている事。

歌い出しはなるべく全体を見せる手法が主流になる中で終わりの方でも
歌いだしからのダンスでも真横!

しかもカメラは引きの視点と一瞬タブーかもしれないカットですが
その後のカットでステップを強調する脚やスカートに加え
カメラが回りながらフカン、アオリとグルグルと回って
何度観ても耐えうるシーンとして完成度を高めています。

そんな中でも富野監督の教育法でもある「地上90センチの視点」も
しきりに取り入れている点はサンライズフリークだけでなく
アニメファンは是非とも注目です!


というわけで、こんな感じになりました。
普通の感想も書く事もあるかと思いますが、
感想サイトとはまた違った方向性で活動を続けるのが目標です。


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ラベル:クリエーター
posted by ケン・サスガ at 21:40 | Comment(0) | クリエーター | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする